コラム

寄与分と特別受益がある場合の相続分の算定方法

弁護士 幡野真弥

 寄与分がある場合の相続分の算定方法、特別受益がある場合の相続分の算定方法については、以前、コラムでご説明しました。
 今回は、寄与分と特別受益、どちらもある場合の相続分の算定方法について、ご説明します。

■具体例
 被相続人の相続財産は3000万円、相続人は子Aと子Bの2人というケースです。
 子Aは、特別受益として1000万円の生前贈与を受けており、子Bは、寄与分として1000万円が認められるとします。

 まず、相続財産に特別受益を加え、寄与分を控除します。
 3000万円(相続財産)+1000万円(特別受益)-1000万円(寄与分)=3000万円
 この3000万円が、みなし相続財産です。

 次に、相続人の一応の相続分(法定相続分または指定相続分)を計算します。
 子Aと子Bの一応の相続分は、いずれも 3000万円(みなし相続財産) ✕2分の1 =1500万円です。

 最後に、各自の一応の相続分から、特別受益を控除し、寄与分を加算します。
 子Aの具体的相続分 1500万円(一応の相続分)-1000万円(特別受益)=500万円
 子Bの具体的相続分  1500万円(一応の相続分)+1000万円(寄与分)=2500万円

 以上が、寄与分と特別受益がある場合の具体的相続分の計算方法です。